亮太 ryota のブログ

パン職人でありながらYouTubeに動画を投稿する変わり者の日々を綴るアーカイブ。

ほぼほぼ初めて自分で購入して最後まで読んだ小説の話。

今週のお題「読書の秋」

 

どつも、亮太です。

我ながら趣味がしっちゃかめっちゃかで混沌としています。

初めて自分で本屋さんに行って買った本の話をしたいと思います。

 

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2002年に発売された萩原浩のコールドゲームという小説をご存知でしょうか?

 

いじめっ子達がかつてのいじめられっ子に復讐されていく話

 

やる気そこそこで簡単にあらすじを説明すると、大体そんな感じの話になります。

今から16年前の小説で、僕が買ったのは確か中学生になるかならないかぐらいの時やったと思います。

 

作品の主人公達は高校生で、中学時代いじめを被害者加害者傍観者という3つの立場で経験したとある登場人物達であります。

最初は加害者側の主張が前面に押し出されたまま話が進んでいき、徐々に傍観者側の本音が浮き彫りになっていき、最終的に被害者側の燻る憎悪に塗り替えられていきます。

 

主人公は傍観者側でその友人は加害者の中心人物で奇しくも僕と同じ名前である亮太となっております。

正義か悪かの勧善懲悪では計り知れない様々な事件を追う内に誰が一体何の為に、このような復讐が繰り返されるのか? そんなミステリー染みた展開の連続でした。

 

気になる方は是非一読してみてはいかがでしょうか?

 

コールドゲーム (新潮文庫)

コールドゲーム (新潮文庫)

 

 

 

当時の僕は周りと折り合いが付かず、勝手に一匹狼を気取って強がっていました。そんな頃に読んだからこそ、10年以上前の記憶からも情景を思い起こせるのかもしれません。

いじめという重いテーマを題材として、その関係者の複雑な関係性を見事に描き抜いた作品です。文句無しにお勧め出来る小説ではあるものの、物語の締めというか終わり方には好みが別れる可能性も多大にあります。

 

この先、軽くネタバレを含みます

 

誰も救われません。

あくまで僕の感性の問題か擦れた価値観が生み出す感覚なのかもしれませんが。

 

今のご時世、復讐を扱う場合は被害者がヒロイックでダーティでカッコ良く描かれる傾向にあると思います。

それがこの作品においては、あくまで加害者側が終始幅を利かせます。最終的には傍観者側があの日あの時言えなかった言葉を発して、ようやく周りが自分達の愚かさや情けなさに気付いていきます。

 

決して被害者が晴れやかな気持ちになる事もなく、加害者や傍観者にとっても多くの傷を抱えてこの先大人へとなっていく訳です。

誰も、誰1人として救われる結末にはなりません。

 

僕はいじめられた経験もありますしその仕返しや復讐という程でもありませんが、かつて友達であった同級生に対して数々の暴力を振るいました。それが決して許される事ではないように、この作品の登場人物達もまたそれぞれが重い十字架を背負って生きていくしかないのです。

 

この小説を読んで何をどう思うか、それは個人の自由であります。

僕が思ったようにそのまま感じてほしい訳ではありません。

 

読み手によって感じ方はそれぞれ変わる。それが小説の醍醐味でもあると思います。

 

ほなまた